225先物取引 -45,502円
今日はトランプ大統領就任演説の日です。日本時間では正確には21日未明ですが。
私は、トランプ大統領の就任演説では新しい玉が出ることはなく、市場にはすでに織り込まれているか、あるいは市場は様子見を決め込むだろうから、就任演説は無風で通過だろう、と睨んで、腰を落ち着けていました。
しかし、地球の裏側で行われる就任式に向けて、ドルは徐々に高くなり、それに合わせて日経平均先物も徐々に値を上げていました。20日未明に19000円付近で底を打った225先物は、昼間に19100円付近で揉みあった後、昼の引け後にじわりじわりと上げ続け、20日19時頃には19250円まで来ました。
ここで、私はすこし慌てます。
このとき私は、225先物3月限が18850円あたりだったときに建てた20000円コールの売りを持っていました。
- 3月限C20000@120円-1
先物の値上げに伴い、このコールも200円近くまで上がっていました。もし225先物がさらに値を上げるなら、このコールの値段は一気に跳ね上がる可能性があります。
無風だと思っていたけれど、ジリ上げが止まる様子もないし、これはひょっとするとひょっとするのではないだろうか…?、と、怖くなった私は、20時頃、先物でヘッジすることにしました。
- 3月限ミニ@19250円+5
建てると同時に19200円にストップオーダーを入れました。つまり、これ以上の値上がりに備えて25000円を保険に支払う、という意図です。
さて、ここで225先物は伸び悩み始めます。19:30につけた19280円を天井に、23時頃には19200円付近まで下がりました。ここでストップオーバーが約定し、25000円の損失が確定。
- 3月限ミニ@19250円+5→決済@19200円
これで当初の保険は使い切ったわけですが、しかし225先物は19200円を底にまだ上に行こうとしています。
まだ上に行く可能性を否定できない気がする….
そう思った私は、日が変わって0時頃、また19250円まで上がってきたタイミングで、再び先物でヘッジすることにしました。
- 3月限ミニ@19250円+5
同様に19200円でストップオーダーです。
ただ、建てた後しばらく値動きを眺めていると、もはや上に行く元気はなさそうです。そこで、ストップオーダーに引っかかる前に決済してしまうことにしました。
- 3月限ミニ@19250円+5→決済@19210円
W天井をつけてもう大丈夫だろう、と思った私は、このタイミングで寝ました。
今回の取引、いろいろ反省点はあるのですが、最も大きな反省点は、やはり先物によるヘッジは難しい、ということです。
ヘッジを入れることは悪い事ではないですが、果たしてこのヘッジは有効な一手だったでしょうか?
あくまで結果論ですが、今回のヘッジは良い手であったとは言えないように思います。理由はいくつかあります。
- 自分のルールにない、しかも難しいことを知っているヘッジの仕方であったこと。
- ミニ5枚という枚数や50円のストップオーダーに妥当性が無いこと。
- ヘッジで守ろうとしていた120円の建玉に対し、結果として45円も、効果が検証できないヘッジに支払ったこと。
要は、じわ上げ相場に対して気分で立ち向かったのが悪かった、と思うのです。
それに、どうせ45円払うのなら、20875円のコールが買えていました。もうちょっと出せば20750円のコールも買えました。ヘッジとしての効果や手数の少なさを考えるなら、先物+ストップオーバーよりもコール買いのほうがよほど効果的であった、と、今になって思います。
きっと、先物を買ったとき、こう考えたのでしょう。
つまり、まだ見ぬ利益を夢見ていたわけです。これじゃあうまく立ち回ることはできません。
分かっちゃいるんです。分かってないから損したわけですが。この性根を叩き直したい。
225OP取引 -46,784円
私はオプション取引が大好きです。オプションを使えば、自分が考える先の相場展開に合わせてリスクとリターンを自在に設計できるようになります。価格が上がるか下がるかを当てるナイーブなゲームから解き放たれるのです。
…というのがもっともらしい建前ですが、本音を言うと、「なんでこんなもんに値段が付くのか分からん」という不思議さに魅力を感じてるんですよね。
OTM (Out of the Money)のオプションなんて本質的価値ゼロですよゼロ。
代わりに、値動きの大きさに対する不安とか、なんかそういうものに値段が付けられています。
つまり、オプション取引とは、僕らの未来予想に値段を付けて売り買いすることなわけです。
そんな意味不明なものなのに、オプションは実にシンプルかつ強力なツールで、実際にものすごく役に立っている…。そういうところが、私がオプション取引に感じる魅力のひとつだったりします。
さて、オプションとはそういうものですから、オプション取引に(真剣に)参加するには、自分なりの予想シナリオを立てて値踏みしないといけません。
シナリオとは、例えば、SQまでに原資産価格はこう動くはずだ、的なものであったり、あるいは数理モデルに基づくなんちゃらとか、なんかそういうやつです。
もし外れた場合の対処なんかも、シナリオに含まれます。シナリオがちゃんと練られているならば、オプションは安全かつ効率的に利益を生み出します。
逆に、適当な手を打つと死にます。
今回はそんな感じです。
11月10日からの大連騰、じわじわ上げながら節目を次々と超え、11月25日夜間に日経平均先物期近は18400円で寄付き、18490円まで上がりました。「18500円はどう見たって高すぎる、これで連騰も打ち止めだろう」と思った一方で、2つのことが脳裏をよぎりました。
- つい先日に17500円や18000円や18250円の節目を超えたときも同じことを思ったこと
- 去年の1月から3月にかけての連騰で18000円台をあっさり通り過ぎて行ったこと
ここで、急にポジションを持ちたい不安に苛まれました。このビッグウェーブに乗り遅れてはならないのではないかと。明らかに乗り遅れてますが。
そして、先物18450円あたりのとき、つい勢いで
- 12C18750@125円+1
- 12P18000@120円+1
なんてものを買ってしまいました。
さらなる連騰か、数日以内に一気に崩れるかのどちらかに賭けたポジションです。連騰でIVも大分下がったし、どちらかに200円も動けば利益になるだろう、とかいう、すごく根拠のない期待に基づくポジショニングです。
さて、週が明けて28日、始値18320円。130円下がっていますが…
このポジションは3万円の評価損です…。
まあ、こうなることは当たり前ですよね。プレミアムの剥げ方を知っているなら。ですが、すっかり忘れていたわけです。あんた何年オプション取引してるんだ?バカか?もう死にたい。
しかし、まだ粘ろうとしてしまいます。
いや、まだだ、ここからぐぐっと値下がりしてプットがぐぐっと上がってくれたら、トントンで手仕舞いできるんじゃないか…?、と。
…とかいう淡い期待も虚しく、安値18210円まで下がり、IVも上がりましたが、プットの上昇よりコールの値下がりのほうが激しく、このポジションは5万円の評価損になりました。
もはやいくら待っても利益は望めそうにありません。かといって、支払ったプレミアムは全部失うには高すぎます。
先物18250円あたりでクローズ。損失確定。
- 12C18750@125円+1 →決済@60円
- 12P18000@120円+1 →決済@140円
ポジションを閉じた時、損をした悲しさと、自分のアホさに対する憤りに苛まれました。ああ、俺はなんとアホだったのか、と。
今思えば、このポジショニングが如何にアホかよく分かります。アホなポイントを挙げると、
- 上に突き抜けてコールが高くなっているところでコールを買っている(アホがコールを高くしているところに飛びついた更なるアホだということだ)
- 板が薄くてプレミアムが高くなるナイトでオプションを買っている
- プレミアムがめきめき下がり始めるSQの2週間前にオプションを裸で買っている
- そもそもロングストラングルは儲けの薄いポジションである
そしてなにより、
- 高すぎると思う、でも同時にまだ上がるかもとも思う、という、相場観が定まっていない状態なのに、勢いだけで手を出した
のが一番のアホなところだと思います。
こういう、値動きが読めないときは休むべきです。分かっちゃいるんです。分かってないから損したわけですが。 本当に分かっているのか過去の自分を問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。